釣り竿が折れる原因とは?本来は簡単には折れない

今回は釣り竿が折れる原因について確認していきましょう。

僕も過去に釣り竿を折ってしまった経験があり、その経験をもとに最近は気をつけて取り扱っていますが、これから釣りを始める方にもその体験を参考にしていただいて、原因を知ることで、逆に大切な釣り竿を折ってしまうことがないようになってくれたらいいなと思います。

さて、釣り竿が折れる原因とは一体何なんでしょう?

本来釣り竿は簡単には折れない

本来、釣り竿というものは、普通に扱っていればそうそう簡単に折れるものではありません。大きい魚が掛かったら折れるとか、この竿でどのくらいの魚が釣れるんだとか気になっている初心者の方を見かけますが、メバリングロッドやアジングロッドのような細い竿でシーバスやエイ、シーバスロッドでブリなど、全く問題なく釣っている人もいますよね。※当然抜き上げはNG
その方たちが竿を折らずに大物をキャッチできたのは、扱い方に間違いがなく、やり取りが上手かったからという要素もあると思いますが、基本的に無理をしなければ、竿はなかなか折れないということです。

釣り竿が折れる原因とは?

では釣り竿が折れる原因とは一体何なのか?
運悪く初期不良として、もともとの作りに問題がある場合もあるでしょうし、長く使っていれば経年劣化というものもあると思います。しかし、そうでなければ実は“扱い方”によって折れてしまうことがほとんど。
つまり、折れる竿にはそうなってしまう外的要因があるんです。

ライン絡みで釣り竿が折れる

まずは不注意で起こってしまうよくあるケースです。
特に切れにくいPEラインを使用している際は注意してください。

ティップ絡みで折れる

ラインがティップ付近に絡んでいるのに気づかずに、次のキャストをした際にボキッ!と折れてしまうケース。実はよくあります。
これはラインテンションを保たずに巻いたりシャクったりして、ラインがたわんだ時になってしまうことが多く、ラインがティップを回り込んだり引っ掛かる感じで絡みついてしまうことがあります。この状態のまま投げれば、ラインが出ていかずにルアーやオモリが円を描いてしまい、急激な強い負荷が掛かって折れに繋がります。
また、絡んだ状態のまま巻き取ろうした時も同様に、ティップの先端が急角度で曲がり込んで一瞬で折れてしまいます。
これを防止するためには、回収したルアーや仕掛けを再び落としたりキャストする際、ひと呼吸おいて一旦ベールを返したり、クラッチを切ったりして、ラインが絡んでいないこと、スムーズに出ることを確認してから、再度丁寧に再開することです。
ルアーフィッシングでのナブラ撃ちなど、焦るシーンでは特に落ち着いてやることが大切です。

巻き込みで折れる

ライン絡みと似たようなケースで、船釣りやジギング、初心者のサビキ釣り投げ釣りで良くあるケース。
巻き上げてきた仕掛けを巻き上げすぎて、トップガイドの中まで巻き込んでしまうケースです。仕掛けなら接続部の天秤やヨリモドシ、ルアーならスナップ部分など、トップガイドを通り抜けない部分までを勢いよく巻き込めばティップが急激に曲がり込み、衝撃とともに折れに繋がります。
これを防ぐためには、残りのm数をしっかり把握しておくことが重要で、船釣りやジギングならデジタルカウンターや色分けされているラインの色を良く確認しておくこと。エサ釣りやルアーなら回収している仕掛けやルアーを良く見ておくことが大切で、竿先からある程度離れた位置で巻き上げをストップするようにすれば大丈夫です。

キズで釣り竿が折れる

次は“キズによって釣り竿は簡単に折れる”というお話です。
最近の釣り竿はカーボン素材で作られているのが主流です。そのカーボンロッドには“軽い”“感度が良い”といった特徴がありますが、それを実現するために肉薄にできており、キズや衝撃に弱いという弱点があります。『立てかけていたロッドを倒してしまった』『堤防や磯に平気で放って置いている』といったように雑に扱うと、キズが入ってしまったり、内部でカーボンが剥離してしまったりすることがあります。その状態でその部分に強い負荷が掛かった際に、釣り竿は簡単に折れてしまうことがあるんです。
ですから普段から釣り竿の取り扱いには注意が必要で、ロッド袋やロッドケース、ティップカバーなどのアイテムでキズから守ると良いでしょう。

竿の角度で釣り竿が折れる

竿が折れる原因としてよくある原因の一つ。最後に紹介するのは“竿の角度”です。
竿というのは曲げる角度が大事です。磯竿などの極細竿で元々折れる可能性が高い竿というのは、ある程度急角度に耐えられる設計になっており、物によっては曲がりまくっても折れないティップに作っている製品もあります。しかし基本的にはどの竿でもティップに負荷が掛かる急角度な曲げ方は絶対にしてはいけません。

ランディング時が危険

シーンとしてはランディング時に魚が手前に寄ってきた時に、寄せるが一心で釣り竿が真上に立っているような状態で、ティップが逆Uの字を描く状態が一番危険です。
基本的に竿の先は”耐久性”ではなく”感度”が重要視されており、耐久性はベリーからバット部に掛けて求められています。つまり、魚とのやり取りで竿を曲げる際は、このベリーからバット付近(竿の真ん中~元ガイドとフォアグリップの間ぐらい)を曲げる意識でやり取りすると安心です。そうすれば、魚のやり取りで竿が折れるなんてことは基本的に起こらないでしょう。

根掛かり外し時は危険

釣りをしていて”根掛かり”はよくあることです。この根掛かり時によくやるのが、竿を煽って根掛かりを外す方法。これはやはり急激に竿に負荷を与えてしまうので本来はあまりよくない方法です。高弾性カーボンロッドなどは特にこのような衝撃には注意するようにと言われています。
なので根掛かり時はラインを持って引っ張って外すのが最適な方法です。スプールを押さえて引っ張る方法も、引っ張りに強いPEラインの場合はベール破損やスプール変形に繋がりますので、ラインをブレイカーに巻き付けて引っ張るのが本来一番良い方法と言えるでしょう。※素手で無理やり引っ張ると指が切れますので注意

手曲げは危険

釣具店で見かける光景でたまにティップを手で曲げて調子を確認している人がいますが、あれは非常に危険です。たまにそれを禁止として張り紙をしているお店もあるぐらいですが、見ると折れないか冷や冷やしてしまいますね。万が一折ってしまったら「調子を確認しただけで折れた」なんて恥ずかしい言い訳は通用しません。竿の扱い方として間違っていますので、弁償させられるのは当然でしょうから気を付けましょう。

適合ウエイトを守らずに釣り竿が折れる

次に誰しもが一度は質問したことがあるであろう“適合ウエイト”。
釣り竿には背負えるオモリ負荷やルアー負荷を設定した適合ウエイトというものがあります。これは一見、”それ以上の重さのオモリやルアーを載せると折れてしまうもの”と思いがちですが、必ずしもそういう訳ではありません。基本的な解釈としては、その竿に対して“標準的な使い方で性能が一番発揮されやすいウエイト”を示しているものと捉えれば良いでしょう。
投げ釣りやルアーフィッシングなど、キャスト系の釣り竿での表記の場合、その竿の反発力が一番活かされるウエイトといった意味合いで、快適に仕掛けやルアーを飛ばせるウエイトと考えればOKです。多少オーバーしてもキャストは可能ですが、オーバーし過ぎるウエイトのものや、空気抵抗が強すぎるものを投げる場合は、フルキャストすると折れてしまう可能性があるので注意が必要です。逆に軽すぎるものは釣り竿の反発力が弱くなり、飛距離が格段に落ちてしまいます。

適合ラインを守らずに釣り竿が折れる

最後に注意したいところで、ロッドには適合ラインというものがあり、ルアーロッドなどは大概が本体に表記されています。この適合ラインというものは、前述の適合ウエイトど同様、その竿に対して“標準的な使い方で性能が一番発揮されやすいライン強度”を示しているもので、その範囲を超えたからと言って使えないわけではありません。
しかし、その範囲を超えた強度のラインを使った場合、ラインが切れる前にロッドが折れる可能性があります。特に引っ張り強度の強いPEラインを使用して、ドラグをきつく締めた状態でロッドを曲げていくと、なかなかラインは切れないので非常に危険と言えるでしょう。
なのでどうしても表記よりも強いラインを使いたい場合はドラグ調整をして、竿の限界が来る前にラインが出ていくようにすれば問題ありません。

釣り竿3本実際に折れた原因

僕は今まで釣り竿を3本折ってしまったことがあります。それにはそれぞれ別々の原因がありました。その内2本はまさに前述に紹介した理由そのもの。そして残る1本の原因は不注意でした。

ランディング時の破損

初めて釣り竿を折ってしまったのはシーバスロッド。
まだ三浦磯でのシーバスを始めた頃でした。朝マヅメに70cmほどの良型シーバスがHITし、ランディングシーンになったのですが、その時はタモ網を持ってきておらず、磯へのズリ上げをしなければならない状況でした。磯際まで寄せてからズリ上げするまでに手間取り、焦って抜き上げようとした時にバキッ!とティップが折れてしまったのです。
この時、慌てて寄せよう、上げようとしていたために、ロッドを真上へ立ててしまっており、そこで引き波と一緒に魚の重量が一気に加わり、ティップに極端な負荷が掛かったために折れてしまったのです。

傷だらけの竿で入れ食いファイト時に破損

2度目のロッド破損も三浦磯場でのシーバス釣りの時でした。
この時は使い倒していた傷だらけのロッドを使っていました。この頃は基本的に磯でも平気で軽々しくロッドを置いたり立て掛けてしまっており、かなり傷だらけの状態だったんです。
ある日の朝マズメ。狙いすましたXデーに大型シーバスの群れが入ってきて、怒涛の入れ食い状態に突入しました。3匹ほど釣った後の4匹目のヒットで、足元まで寄せた後に反転して潜られた瞬間、2ピースの継ぎ目ちょい下、元ガイドの少し上から折れるというまさかの衝撃。
本当にびっくりしましたが、思いっきり使い倒していたロッドで傷も気になっていたので、瞬時に傷からイッたとすぐにわかりました(笑)。

転倒時の破損

最後に折ってしまったのは磯でメバリングをしている時でした。
真夜中の磯釣りとなると本当に危険で、常に細心の注意を払っての行動が求められますが、その時は完全に油断していました。
ちょっとだけ離れている離れ磯にジャンプして渡って釣りをしていたのですが、荷物を置いている元の磯に戻る際、ジャンプして着地に失敗してしまいました。そのままずっコケる形になり、慌ててロッドを持ったまま手をついたために、思いっきり磯へ叩きつける形になり、ティップが折れてしまいました。
この際ひざ下からスネを強打。しばらく痛みで動くことができませんでした。そしてウェーダーも損傷。ロッド破損のショックもありましたが、それよりも磯の怖さを改めて実感した1日でした。

そんなこんなロッド破損の経験があり、今は色々と注意して扱っています。

まとめ

今回は釣り竿が折れる原因について確認してみました。

実際に釣り竿を折ってしまった経験がある方はどこか心当たりがあるでしょうし、そうでない方はこれからの参考にしていただければと思います。
また、できるだけ長く使うためには使い終わった後のメンテナンスも重要です。面倒な人は最低限これだけは守りましょう。

  • 釣り竿はできるだけ早く水洗いをし、汚れや塩水を落とすこと
  • 水洗いが終わったら水分をふき取るか日陰干し
  • ロッド袋に入れるなどで直射日光を避けて保管

釣りから帰ってくると疲れていて、このようなメンテナンスを怠る人が非常に多いと思います。僕もその一人(笑)。ですが、本当にこのひと手間が大事なんですよね。
ですからこれが苦手な方はこの時間も考えて、余裕を持った帰宅ができるといいんじゃないかと思います。

大切な釣具、大切な相棒とともに素敵な思い出を作るために、できるだけ長く使っていけるといいですね。

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