カサゴのリリースサイズは何cm?確実に減る資源に釣り人ができること

カサゴをはじめとする根魚類のリリース問題。

釣り人の間では度々物議を醸す問題ですが、みなさんはどうしていますか?

根魚は成長スピードが遅く、釣り過ぎると魚が減っていってしまうと言われていますが、その割にこれに関して正式に禁止事項を設けている地域は少ない。

しかし、リリースを心掛ける、そしてお持ち帰りする数を抑えることで、資源の減少スピードをわずかにでも抑えられることは間違いないです。

釣り人だったら誰でも、できるだけ長くいつまでも魚釣りが楽しめる状況を望んでいることでしょう。

ということで、今回は確実に減る資源に釣り人ができること、カサゴのリリースについて色々と確認していきたいと思います。

釣りを始めたばかりの初心者の方も、ぜひ目を通していただけたら嬉しいです。

カサゴとは?

サーフメバリングが熱い!プラグもワームも「ロックフィッシュ」が連発!
カサゴ(ガシラ)

カサゴは感じで書くと「笠子」と書きます。

頭が大きくて、出っぱっている棘を骨に見立てて、笠をかぶっているように見えることから付けられた名前のようです。

地域によっては「ガシラ」など色々な呼ばれ方がありますが、これも体の大部分が頭と言ってもいいほど頭が大きいからそう呼ばれたのではないかと思っています。

TAK
TAK
この頭のデカさが可愛い♡

そんなカサゴは根魚(ロックフィッシュ)の代表的な存在ですが、防波堤でも岩場でも比較的よく釣れるポピュラーな魚なので、釣りをしている方なら多くの方が見かけたことがあるのではないでしょうか。

15cm~20cm前後のサイズが多く、30cmを超える尺カサゴはなかなか釣ることができません。

体色は赤~茶色で、育った環境に応じて色が変化しています。

カサゴの生息域

カサゴは岩礁帯周りにいる

カサゴは北海道南部以南~九州、沖縄にかけての沿岸域、主に藻場や岩礁帯に棲息しています。

夏の海水浴でシュノーケリングしている時、岩場の奥まった影にひっそりと隠れていたカサゴと目が合ったことがあるんですが、この時、カサゴが根にいるって本当なんだなって思いました(笑)。

だから釣りの時もそのようなポイントをイメージして釣っています。

TAROU
太郎
逆に根のない所にはあまりいないワン

そんなカサゴは定着性が強くて一度住処を決めるとその後あまり移動せず、行動範囲は非常に狭い半径1km以内などと言われています。

なのでそのポイントで釣りまくってしまうと、、、。

カサゴの資源は確実に減少中

そんなカサゴは残念ながら今、全国的に減少傾向にあるんです。

それが一目でわかるこのグラフを見て欲しい。

カサゴのリリースサイズは何cm?確実に減る資源に釣り人ができること
カサゴの資源推移

これは神奈川県が発表している2022年12月時点での資源動向グラフを参考にして作成したグラフになります。
※微細なズレはご了承ください

水揚量は多少の増減を繰り返しながら確実に減少してきていることがわかりますね。

これは神奈川県に限った話ではなく、全国的に他県でも同じようなことが起こっているようです。

どうしてこうなっているかというと、当たり前の話ですが‟増える数より減る数のほうが多い”からです。

言い換えれば、生まれる数より獲る数のほうが多いということ。

「カサゴなんて釣り人が釣ったくらいじゃ減らねーよ!」

「カサゴは繁殖力が強いから平気だよ!」

なんて声も聞いたことがありますが、現実を見ればやっぱり減っているんですね。

何も対策をしなければ減っていくだけで、最悪の場合は絶滅危惧種(=レッドリスト)入りへ向かうことになります。

TAK
TAK
なんだかんだ本当に数値的に減っているんだね…

カサゴの稚魚放流

長井漁港の堤防が完全立入禁止!残念ながら釣りも不可能に…。
カサゴの放流が行われる長井漁港

このような問題に各地で行われているのが『放流事業』です。

自然の力だけではどうにもならないため、人間の手で養殖を行い、稚魚を放流して魚を増やそうとしているのです。

実際にその成果も確認されているみたいですが、それでもなお、先ほどのグラフのように減少傾向にあるのです…。

カサゴが放流されるのはまだ小さい赤ちゃんサイズ。

自然の中でなんとか元気に成長して大きくなってもらいたいですね!

神奈川県では、本牧海釣り施設や横須賀海辺つり公園、長井漁港周辺などでも積極的に稚魚の放流が行われています。

TAROU
太郎
放流をやめちゃうともっとヤバイんだワン

カサゴの成長

三浦半島の磯でカサゴダブル
真っ赤な磯カサゴ

それではここで、カサゴの成長について見ていきましょう。

カサゴは成長スピードが遅いと言われていますが、実際にどのくらいの期間がかかってどのくらいの大きさになるのでしょうか。

実はオスとメスでの成長速度が違うという研究結果も出ているみたいですが、平均して言われているサイズがあります。

カサゴの成長スピードは、、、。

1年で約10cm。
5年で約20cm。
10年で約30cm。

と言われています。

カサゴは1年でわずかに10cm。

そして‟尺カサゴ”と言われる大カサゴの30cmになるまではなんと10年もかかるとのことです。

TAK
TAK
これを知ると釣れた時のありがたみが増幅するね!

小型のカサゴは採捕禁止

こういった背景から、カサゴの採捕に制限を掛けている地域があります。

宮崎県では、カサゴの小型魚を保護および資源の維持増大を図るため、県内全ての海域において全長18cm以下のカサゴの採捕が禁止されています。

放流もやるけど、それだけではなく、獲るほうの制限も掛けていく。

こうしないと減少を抑えられないのでしょう…。

TAROU
太郎
こういったのも必要なのかもワンね

ちなみに18cmってどのくらいかというと、スマートフォンでいうとiPhone12promaxやiPhone14plusなどでも約16cmですから、それよりも一回り大きいサイズということになりますね。

また、他にも一般的によく聞かれるカサゴのリリースサイズ基準が15cm。

15cmというと宮崎県基準との差がわずか3cmですけど、このたった3cmが意外にも大きく、15cmが全長のカサゴはパッと見でやはり可愛いサイズになります。

自分が過去に釣ったカサゴのサイズ、お持ち帰りしてきたサイズのイメージと比べてみるとどうでしょう?

お持ち帰りできたかな???

カサゴは釣り過ぎると小型化!逃がせば大型化!?

カサゴのルアー釣りで根掛かりしにくいジグヘッド!
リリースサイズの赤ちゃんカサゴ

それだけ成長に時間が掛かる魚、カサゴ。

釣り人の間でも、お持ち帰りの基準について物議を醸している魚です。

小さいカサゴでも構わずキープしたり、とにかく釣れるだけ大量に釣って、ズラリと並べられた釣果写真を見せつけたりする行為が目に留まっているのです。

人によっては「大漁に釣れてすごい」と思う人もいるでしょう。

逆に「そんなに食べきれないほど釣って可哀想」と思う人もいるでしょうね。

ただ、これまで話したような背景を考えれば、サイズに関わらずなんでもかんでもお持ち帰りしていったらどういうことになるのかわかると思いますが、、、。

釣り過ぎれば数は減少し、アベレージサイズもどんどん小型化していくことになります。

生まれてからまだ1年2年、10cm~15cmのまだ子供のカサゴちゃんしかいなくなってしまうのです。

TAK
TAK
なんか悲しい…

逆に大きめのサイズのみを少量キープして小さい個体は逃がしてあげれば、全体数の減少を抑えつつ、またその子供が大きく成長する時間を作ることができる。

つまりアベレージサイズを上げることに繋がるでしょう。

アベレージサイズが上がり、数も残る。

小さいのばかり釣るより、そのほうが釣り人としても嬉しいと思うんですけどね…。

カサゴのリリース基準は?サイズは何㎝がいいの?

ではわかりました。

カサゴの釣り過ぎはもうやめます。

ということになったら、じゃあリリースサイズは何cmにすればいいの?

これは先ほどお話した宮崎県のような明確な決まりがない場合、正解はありません。

ただ、宮崎県の18cmというサイズは参考になるでしょう。

またJGFA(NPO法人 ジャパンゲームフィッシュ協会)の基準も参考になります。

JGFAでは、将来のゲームフィッシュ資源を考え、様々な魚種においてバッグリミット(釣った魚などを持ち帰る際の尾数、サイズの基準、制限)を提唱しています。

JGFAのバッグリミット基準
魚種 サイズ 匹数 備考
カサゴ 20cm 10匹 根魚は定着性が高く、釣獲圧が高まるとすぐにその釣り場からいなくなってしまいます。同じ釣り場からの持ち帰りが続かないように注意が必要です。

カサゴの場合は、キープサイズは20cm以上でお持ち帰り匹数は10匹までを推奨しています。

これを参考にするのも良いでしょう。

TAROU
太郎
10匹いたら十分だワンね

また先ほども言いましたが、一般的によく言われている15cmというサイズを基準にしても良いでしょう。

他によく言われているのはリリース個体は、抱卵でお腹が大きくなったママさんカサゴ。

無事に産卵させてあげれば資源が増える可能性が上がるのは明らかですからね。

それから、針を飲み込んでしまったり出血したりしてダメージを負ってしまった個体。

これはリリースしてもどうしようもないといった場合は、サイズに関わらずお持ち帰りするのはアリでしょう。

でも、針が飲まれても外しやすいアイテムというのもあるんです。

こういったものを持っていると、針を飲まれてもリリースできるので便利です。

また他にも、全然釣れていない1日の貴重な1匹はどうしても持ち帰りたいと思う時もあるでしょう。

お持ち帰り基準クリアまであと1cm足りないけど、今日だけは…なんて日も。

決まりがない地域であれば、このぐらいはケースバイケースで考えても良いのではないかと、個人的には思います。

まとめ

ということで今回は、カサゴのリリースサイズ、お持ち帰り基準などについて見ていきました。

カサゴは本当に美味しい魚ですから僕もよくお持ち帰りします。

でも小さいカサゴをお持ち帰りしても、刺身にしても一口にもならないし、煮つけにしてもどれだけ身があるの?って感じだし、何より可哀想なので絶対にリリースです。

中には釣れるだけ釣って、大量の魚をご近所に配るという方もいるみたいですけど、、、。

小さいカサゴなんてもらったって喜ぶ人がどれだけいるのか疑問です。

県や地域によって決まりが定められていない以上、どうするかは自分次第ですが、、、

これからできるだけ末永く良型のカサゴが釣れる状況が続いていくためには、釣り人として少しでも無駄なお持ち帰りを控えるようにすることは大切だと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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