釣りは安全ではない。「横浜沖堤防落水事故」から“命”を学ぼう。

先日とても悲しいニュースが流れました。

堤防からの落水死亡事故。

釣り人ならたまに耳にする話ですが、こういった話を聞くたびに、今一度自分自身の行動を見つめ直します。

また、それとともに、普段見ている釣り人の安全装備について考えさせられますが、皆さんは釣りをする時、安全対策はしっかりしていますか?

安全対策で気になることとして、本当に多いのがライフジャケット未着用問題。

面と向かって言ってあげることもできるけど、相手が大の大人だと物騒な事件もあるので、なかなか声を掛けれませんよね。

なのでココですいません…。

先日の事故を知り、海の恐ろしさを知り、命をもっと大切にしてもらうため、そして釣り場を守るため、釣りをもっと楽しんでもらうために、伝えたいと思います。

スポンサーリンク

横浜沖堤防落水事故

2021年2月。

横浜の沖堤防で釣り人が落水し、命を落とす事故が発生しました。

釣り人からすると『たまに聞く話』ですが、これはニュースにもなりました。

▼関連記事:横浜港で転落 釣りの女性死亡

なくなったのは釣りをしていた40代女性です。

堤防上で釣りをしていたところ、誤って落下。

その後周囲の助けもあってそのまま救助されたものの、残念ながら命は助からなかったというものです。

事故があった場所「横浜沖堤防」

横浜沖堤防とは、読んで字のごとく、横浜港の沖にある堤防で、特定の船宿から渡船して釣りができる堤防です。

しかしながら、もともと釣りのために建設されたものではなく、本来は「立入禁止」の場所です。

なのになぜ釣りができるのかと言うと、長年の歴史もあってか、黙認状態にしてくれているのです。

そんな場所で釣りをすることが良いか悪いかと言ったら「悪い」に決まっていますが、過去にソーラス条約を元にして釣り場が激減した背景などもあり、沖堤防は貴重な釣り場。

“釣り”という文化に対して、行政が譲歩してくれているのかと思うと、釣り人からしたらとてもありがたいことですよね。

ただ、今回の事故。

釣り人本人の「自己責任」であることは大前提ですが、ライフジャケット未着用の人が落水となると、乗船時の確認はちゃんと行われていたのかは気になるところです。

もし十分な確認ができていなければ、管理体制にも問題があると言わざるをえません。

遊園地のジェットコースターで、一人一人ベルト確認があるのと同じだと思いますので、釣り人からの申告だけでなく、店側のチェックの徹底もお願いしたい。

今後徹底した管理をしてくれることを願います。

防波堤・漁港の釣り

この沖堤防と同じようなことで、知らなければいけないのが防波堤や漁港での釣り。

防波堤は津波や大きな波がそのまま地上に押し寄せることを防ぐために作られているので、裏を返せば、そういうことがある“危険な場所”だということを意味しています。

一見足場が良くて安全なように見えても、潮位が上がったら、風が吹いたら、少し荒れたら、波が防波堤を乗り越えてくるかもしれません。

なので“立入禁止”になっている場所も多いと思います。

また、漁港は漁師さんが船を留めるために作られている場所です。

言い換えれば漁港は漁師さんたちの仕事場所です。

だから今、釣りができている漁港、そこは場所をお借りして釣りをさせてもらっているということを忘れてはいけないのです。

ゴミを放置するなんて言語道断。

自分が毎日仕事している場所に他人がズカズカと入り込んできて、平然とゴミをまき散らしていかれることを想像してみましょう。

自分だったら許せますかね?

これらは本当は取り締まられてもおかしくないことですが、それぞれある程度、黙認してくれているのです。

なので釣り人側はこれらに対して感謝の気持ちを持って、最低限、ルールとマナー、そして安全対策は徹底していかないといけません。

堤防落水事故の原因

今回の事故はそんな堤防で起きてしまいました。

どうして足場の良い堤防でそんな悲しい事故が起きてしまったのでしょうか?

その原因と考えられるのは2つ。

  • 低体温症
  • ライフジャケットの未着用

低体温症

直接の原因になったのはコレだと思われます。

水面に浮かんで呼吸は確保できていても、冬の海はとても冷たく、意外なほど短時間で低体温症になり、凍死で命を落としてしまうことがあるようです。

ライフジャケットの未着用

よくある話で、やっぱりといった感じですが、今回もライフジャケット未着用だったようです。

今回は周囲の助けもあり、沈んでいってしまうことはなかったようですが、一人だったらあっという間に溺れてしまっていたことでしょう。

低体温症の恐怖

低体温症とは、体温が 35℃以下に低下した状態で、正確には「深部体温」と言い、直腸温で測定して診断されるようです。

詳しい内容は『船員の低体温症対策ガイドブック』に記載されているので、知っておくと良いかもしれません。

船員の低体温症対策ガイドブック

一般的に、体温によって以下のように分類されています。

軽度低体温症35 ~ 32℃
中等度低体温症32 ~ 28℃
重度低体温症28℃以下

警告症状として、寒さにより体が震えることから始まり、その後震えが止まると自分で熱を作りだすことができず、急速に状態悪化。

思考が鈍り、正常な判断が困難となるようです。

そして重度低体温症となる体温が28℃以下になると、昏睡、呼吸停止、心停止、血圧低下などが短時間で起こります。

寒い冬の冷たい海に放り出されれば、その冷たい水を吸ったウエアに包まれ続けることになり、低体温症になってしまうのでしょう。

ライフジャケットは命を保証するものではない

そしてライフジャケット。

今回の事故はライフジャケット未着用でしたが、例えライフジャケットを着用していても、結果は同じ事になっていたでしょう。

そうです。

ライフジャケットは100%命が助かる物ではないのです。

ただ、未着用よりは何倍も生存率が上がることは間違いありません。

落水しても致命的なダメージがなければ、しばらく呼吸を確保することができます。

命の保証まではしてくれるものではないけど、生き残る確率を確実に上げてくれるものなので、絶対に装着しよう。

>>>次ページは:堤防は海面から50cmでも這い上がるのは難しい

堤防落水事故
釣果情報!釣り情報!釣りに関する最新情報を配信!