夏は青物シーズン。
青物を狙う釣り方として陸っぱりで人気なのは、やっぱりメタルジグなどをルアーを使ったショアジギング。
エサ釣りでは遠投カゴ釣りなんかでも狙えますよね。
ですが、それ以外にも疑似餌を使った人気の釣りがあるのをご存知ですか?
それは『弓角(ユミヅノ)』です。
メタルジグよりも圧倒的に釣れまくると言うけど、本当なのでしょうか?
そうだとしたら、その秘密は一体何なのでしょうか?
今回はそんな弓角の正体に迫っていきたいと思います。
弓角とは?
弓角とは、数百年前から使われている疑似餌の伝統漁具。
漁船での曳釣り(トローリング)で魚を釣るのに使われていました。
当時は、牛や鹿の角、貝殻などを削って作られていましたが、技術の発達により、今はコストパフォーマンスに優れた樹脂製のものが一般的です。
弓角が量産されるようになり、お手軽に購入できるようになった今は、船からの曳釣りだけでなく、陸っぱりからの釣りでも疑似餌として使われるようになりました。
これがもの凄い釣れるんですが、、、。
その火付け役となったのが“サーフトローリング”です。
弓角を使ったサーフトローリングとは?
サーフトローリングとは、漁船で行われている曳釣り(トローリング)を、サーフ(砂浜)で行うからそう呼ばれています。
疑似餌となる弓角を食いにくるフィッシュイーターを狙うので、それが回遊してきやすい急深なサーフエリアでよく使われていますね。
代表的な釣り場は湘南の大磯、西湘の国府津、静岡の三保半島、沼津の千本浜~片浜といったエリアが超有名ポイントです。
シーズンになると毎朝地元の方々が出勤前に来ていたり、おじいちゃんもたくさん。
激釣シーズンの週末には間隔が狭いぐらいにサーフに人がずらりと並ぶこともあります。
▶弓角サーフトローリングの釣り方
それでは、弓角を使ったサーフトローリングの釣り方ってどうやるの?
トローリングなんて聞いたことなかったから難しそう…と思う人も多いかもしれませんが、全然そんなことない。
釣り方はとっても簡単で、曳釣りなので基本的にはタダ巻きでOK。
トップ(表層)がメインの釣りになるので、早巻きで使うと良いでしょう。
あとは応用で、その場に応じてゆっくりな「速度調整」をしてみたり、カウントダウンして「レンジ調整」を試していけば、チャンスが広がります。
要するにルアーと一緒。
基本にとらわれず、自分自身で色々と試すことがアタリパターンを掴む近道です。
▶弓角サーフトローリングの激アツタイム
そんなサーフトローリングには激アツタイムがあるんです。
時合い的には朝マズメや夕マズメといった時間帯はもちろんですが、それ以外にも一番興奮するのがアレです。
そうです。
『ナブラ』です。
青物釣りで遭遇する可能性のある現象ですが、フィッシュイーターが小魚を捕食するために水面に追いやることで発生する水しぶきのようなもの。
これが突然バシャバシャと発生したらBIGチャンス!
ナブラの奥に弓角を投げ入れ、ナブラ周辺を通してくると超高確率でヒットします。
同様に、水面まで追い詰められた小魚は、上空からは今度は鳥が狙っています。
なので、ナブラが発生していなくても、鳥が集まっている真下には小魚が追い詰められている可能性があり、その下にはフィッシュイーターがいる可能性が高いのです。
『ナブラ』と『鳥山』。
これが発生したらかなりの激アツタイムです。
あまりに興奮しすぎて、周囲の人を無視して斜めに投げ入れたりしないように注意しましょう。
▶弓角サーフトローリングは投げ釣りしながらできる!
サーフトローリングは投げ釣りタックルそのままで流用が可能。
天秤から下を切り替えるだけでそれぞれチェンジできるので、投げ釣りしててチャンスタイムが来たらすぐに弓角にチェンジすることもできるし、チャンスタイムが終わったなと思ったらまたすぐに投げ釣りに戻ることもできる。
仕掛けだけ、仕掛け巻きなんかにセットしておけば簡単に切り替えられるんです。
だから夏のサーフでは、仕掛けをどちらも用意している投げ釣り師が多いです。
せっかく時間を掛けて釣行に行ったら、早朝の青物チャンスタイムだけで終わって帰るのはちょっと物足りないですもんね。
青物が釣れなくても、キス釣りでお土産を確保して帰りましょう(笑)!
弓角で釣れる魚たち
弓角で釣れる魚は、いわゆる“青物”と呼ばれるフィッシュイーターがメインターゲット。
特にワカシ、イナダ、サバ、ソウダガツオといったところが良く釣れるのでお手軽に狙うことができます。
基本的には早朝から陽が昇るぐらいまでの時間帯がよく釣れますが、ナイトゲームではタチウオを狙うことも可能です。
大物サイズは、70cm級のワラサ、80cm級のサワラ、90cm級のブリ、そしてメーターオーバーのシイラなどの釣果報告もあり、弓角には夢の可能性を秘めていますね!
弓角サーフトローリングのシーズン
弓角で釣れる魚たちを見ればもうおわかりでしょう。
サーフトローリングのシーズンは、フィッシュイーターの青物が多く回遊する季節。
つまり弓角の出番は初夏から夏が本番です。
初夏のGW明け頃からサバの回遊が見られはじめ、夏になるとワカシやソウダガツオの回遊が始まります。
晩夏にはサイズアップしたイナダ、秋にはワラササイズも釣れたりします。
弓角がルアーより青物が爆釣する秘密
そんなこんなの弓角。
まさかと思うかもしれませんが、ルアーよりも圧倒的に釣れるという。
なぜ弓角はそんなに釣れるのか?
これには理由がありました。
▶弓角はマイクロベイトのパターンに強いから青物が爆釣する!
弓角はサイズが小さいことが一番の特徴であり、釣れる理由にもなっています。
一般的な青物用ルアーとはサイズ感が全く違い、おおよそ4cm前後と非常に小さい形をしています。
模しているのはシラス。
そのため、ベイトフィッシュがシラスのように小さい時、メタルジグだと大きすぎて食わなくても、弓角だと一発!ということになるのです。
周りのルアーマンが釣れてないのに、自分の弓角は爆釣ってことも、、、(笑)。
▶弓角はメタルジグよりも飛ぶから青物が爆釣する!
弓角は非常に小さい疑似餌です。
単体だと軽すぎて飛ばせません。
だからトローリングスタイルにすることで飛距離を出すのです。
トレーラーに重量のある道具を使い、弓角を引っ張るのです。
こうすることでメタルジグよりも遠くへ飛ばすことが可能になり、尚且つ小さいベイトフィッシュを演出することが可能。
もはや最強。
だから弓角は爆釣するんですよね。
弓角タックル図解
弓角基本タックル/投げ竿
リール:キャスティズム25QD
ライン:砂紋PEX8/1.5号
力糸:テクミーテーパーちから糸/1.5-5号
トレーラー:遠投マウス/F20号
リーダー:5号~7号/2~4m
弓角:サーフ弓角Ⅱ40
※トレーラーのウエイトとリーダーの長さを調節すればルアーロッドでも可能です
サーフトローリングで使うトレーラーの種類
サーフトローリングで弓角を曳くトレーラー。
これはいくつか種類があり、それぞれ特徴があります。
サーフトローリングのトレーラーの種類
- 遠投マウス
- ジェット天秤&海藻天秤
これらの代表的なトレーラーをご自身のお好みで使うと良いでしょう。
遠投マウス
まずは弓角サーフトローリングと言ったらコレ。
遠投マウスです。
特徴はナブラを演出する飛沫を発生させることができるということ。
高速で巻けば巻くほど、水面をバシャバシャさせながら引いてこれます。
フィッシュイーターに“ここにナブラがある”と勘違いさせて遠くから呼び込むことができ、その先に付いている弓角で騙して食わせるといった感じです。
サーフトローリングでは一番よく使われています。
ジェット天秤&海藻天秤
ジェット天秤や海藻天秤は、遠投マウスのように飛沫を作ることは難しいですが、トレーラーとしての機能は十分です。
また、放っておけば沈んでいくので、中層~ボトムまでレンジ調整が可能です。
表層で反応がない時は、沈めて探っていくと当たることが多々あります。
また、「ワカシの群れの下にイナダがいる」と言われるように、サイズが良いのは下にいることも多いので、大物を狙うなら沈めるという作戦はアリだと思います。
遠投マウスの「フローティング」と「シンキング」の使い分け
サーフトローリングの代表的なトレーラーである遠投マウス。
これには「フローティング」タイプと「シンキング」タイプが存在しています。
どちらが良いのか?使い分けはどうやるの?
って気になると思いますが、フィッシュイーターが表層を意識している時は圧倒的にフローティングタイプが強いです。
なので基本はフローティングの早巻きで飛沫を出して使うと良いでしょう。
フローティングタイプならゆっくりと速度に変化を付けて誘うことも可能です。
逆にもっと遠投して飛ばしたい時はシンキング。
高速巻きオンリーならこれでも飛沫は出せるのでOKです。
ただ沈ませて使うなら、別に遠投マウスに拘る必要もなく、ジェット天秤でOKって話になります。
弓角のカラー選択はどうすれば良い?
それでは、今度は弓角について。
弓角には色々なカラーリングが施されています。
カラーがたくさんあって、魚を釣る前に釣り人が釣られてしまいそうですが、、、(笑)。
厳選すれば大丈夫です。
弓角のカラー選択
- ピンク系の弓角
- 白系の弓角
- ケイムラ&クリア系の弓角
基本的なこの3色の特徴を見ていきましょう。
ピンク系の弓角
イナダ系やサバ、カンパチなども良く釣れるオールマイティーカラー。
どれか一つだけを選ぶとすれば、一番に選ぶカラーです。
海の条件的にも、潮が澄んでいても濁っていてもイイ感じにアピールでき、絶対に持っておいたほうが良いカラー。
白系の弓角
白系の弓角はカツオ類に強いと言われています。
もちろん他の青物も釣れますが、ソーダガツオが釣りたい時は白系にすると良いかもしれません。
また、荒れている時でも濁りがあってもアピールができるし、ボトムに落とす場合でも目立ちやすいカラーです。
ケイムラ&クリア系の弓角
ケイムラやクリア系の弓角は、光の反射が強いため澄み潮に効きます。
マズメ時ではケイムラ発光が活躍し、日中の太陽が照り付ける中では光の反射力がアピール大です。
おすすめの弓角
それではおすすめの弓角のご紹介です。
弓角はそこまで多くのメーカーが扱っているものでもないため、市販品の代表的な商品をご紹介します。
アイテム
おすすめの弓角のご紹介です。
弓角 ≪ヤマシタ≫サーフ弓角Ⅱ40
一番よく使われている人気の弓角。2本セットで価格もリーズナブルでよく釣れる。低速~高速で巻いても水中からの飛び出しを抑えるために本体にエッジを利かせることで安定した泳ぎを実現。
弓角 ≪フジワラ≫弓角EXフィン付
弓角にフィンが付くことで更なるナブラ(魚群)を演出。フィンはナブラを演出するだけではなく、アピール面が広がったので更なる釣果を期待させます。
弓角 ≪鹿島屋釣具店≫45mm弓角5色セット
釣具店オリジナル弓角。5本セットでとってもリーズナブルな弓角です。耐久性がイマイチという評価があるので、人気の釣りメーカー品が手に入らない時に。
トレーラー ≪ヤマシタ≫遠投マウスⅡF20
遠投マウスのフローティング20号。基本的にはこれで遠投して使います。ナブラを演出する飛沫をあげて青物を寄せちゃおう!
トレーラー ≪ヤマシタ≫遠投マウスⅡセットF10
遠投マウスと弓角がセットになっています。仕掛けもセットされているので取り出してすぐ使えます。ルアーロッドでも投げれる10号仕様。
まとめ
と言うことで今回は、夏の風物詩、弓角&サーフトローリングについて徹底解説していきました。
弓角は本当に良く釣れる疑似餌です。
一度青物を釣ってみたいという方は、是非体験してもらいたい釣りですね。
皆さんはルアーよりも青物が釣れる伝統漁具の存在を知っていますか? 「伝統漁具」と聞いてピンときた方はきっとその威力を知っている方だと思いますが、認知度としてはまだまだ知らない方も多い。 そうです。 それは「弓角([…]
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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